2:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:33:50.55 ID:kdM6e67Z0
ふふっ、それほど昔のことじゃないはずなのに、なんだか懐かしいね。
あの頃はまだアタシもアイドルに成り立てで、毎日毎日レッスンに明け暮れてて。
PさんはPさんで、まだ担当がアタシしかいなかったから、そんなアタシのレッスンによく付き合ってくれてたよね。
3:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:37:29.72 ID:kdM6e67Z0
あの頃のアタシは――正直、色々とヤケになっちゃってて。
アメリカの大舞台で踊れるなんて――ううん、日本のステージで踊れるとすら、思えなくなってたから。
あ、もちろんPさんのこと、信じてなかったわけじゃないよ? スカウトされた時は凄く嬉しかったし、またステージで踊れるんだ、頑張ろうって思ったから。
4:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:39:14.21 ID:kdM6e67Z0
周りの子達は学校に通うような若くて可愛い子ばっかりで。
おまけに皆、夢を追いかけて凄くキラキラしてた。
片やアタシは、大学を出て就職もせずに、アルバイトしながらダンスやってたフリーター。
5:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:40:55.27 ID:kdM6e67Z0
……うん、ありがとう。Pさんならそう言ってくれるって思ってた。
けど当時のアタシは、そうとしか思えなくなってたんだ。
アイドルになったって話を友達にしても、
6:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:42:27.45 ID:kdM6e67Z0
ねぇPさん、覚えてる? 初めて一緒に河川敷を走った日のこと。
Pさんあの日、『最近運動不足なんで、一緒に走ってもいいですか? 仕事もないし』なんて言ってついてきてくれたんだよね。
アレって、本当はアタシのこと心配して付いてきてくれたんでしょ?
7:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:43:53.54 ID:kdM6e67Z0
そうやって走ってる最中に友達に会っちゃって。
やっぱり言われちゃったんだよね。
『でも大丈夫? 今からそんなこと始めてさ。
8:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:46:08.67 ID:kdM6e67Z0
――何も言い返せなかった。
だってそれは、私も強く思っていることだったから。
だってそれは、私が酷く痛感していることだったから。
9:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:47:14.71 ID:kdM6e67Z0
10:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:48:23.37 ID:kdM6e67Z0
だからあの時、Pさんが大きな声を上げて、ずい、と前に出てきた時は、びっくりしたよ。
『聖來さんには叶えたい夢があるんです。
そして、それを叶えるだけのポテンシャルを十分、いえ、十二分に持っている。
11:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:49:58.13 ID:kdM6e67Z0
多分、友達もビックリしてたと思う。
驚いたみたいに目を見開いて、でも現実的には、と続ける彼女に、
『現実ならしっかり見てます。
12:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 00:51:33.80 ID:kdM6e67Z0
――なんて、笑っちゃうよね。
今考えてみれば、根拠のまるでない言葉で、詐欺か新興宗教かって感じだけど。
子供みたいに目をきらきらさせて。
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