16: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/04/29(金) 03:20:09.05 ID:AVgdjrGj0
放浪者が日記を書き終えたあたりで、部屋の扉がノックされる。誰かと声をかけると、勝が覚を連れてきたと返ってきて、放浪者は扉を開けた。
話がしたいと言う彼女と応接間で放浪者は2人の状態になる。勝はいつものように、扉の外で待機していて、何かあればいつでも対応できる状態だ。最も、放浪者を信頼した今となっては、話が終わった後に彼女をフォローする為の待機だ。
それで話とは何かと促すと、覚はロバートについてと告げた後。
「彼に関わる計画については、何か確認できましたか?」
以前、エクスにロバートが関わっていたであろうプロジェクトについて、調べるよう依頼をしていたものの、いろいろな任務が重なり、進捗としては進んでいない状況だった。詳しくは何もわかっていないと返事をしてから、放浪者は覚の意図を想像しようとして、止めた。
彼女はこちらが何を考えているのかわかる。今、そう聞いたのも自分にそのことを考えさせるために過ぎない。その方が、覚が言うには一番手っ取り早い方法だからだ。
「はっきりと彼のことは読んでいません。ただ、彼は惨劇について自分は大きな関わりを持っていると、思っているようです」
それは、微妙な言い方だった。直接惨劇に関わるプロジェクトに関わっているのなら、関わりを持つという表現にはならない。つまり、それに派生するプロジェクトか、あるいはこうなるとは知らずに関わっていたか、そう考えられる。
「この状況を生み出したと思い、彼は罪の意識に苛まれています。ここに来たのも、それが理由。関連施設が見つかるか、エクスさんが探し出せば、ここに留まる理由がなくなる。その前に、話したくなったようです」
つまり、どんな計画に関わっていたのかわかるということだ。彼女の話しぶりだと、ロバート自身は悪人ではないと考えられる。ただ、問題はその計画は何を目的にしていたのか、ということだ。
「明日お会いするなら、彼の話を聞くようにしてください。知ってのとおり、コミュニケーションは得意な方ではありません」
アドバイスを素直に受けてから、放浪者はすでに覚はどういった内容なのか知っているのではないかと聞くと「当人から聞くことで、価値があります」と答えた。
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