過去ログ - これから日記を書く 五冊目
1- 20
31: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/05/01(日) 01:01:54.14 ID:C67B//WT0
夜、赤川総合病院での探索を終えて、必要な雑務をこなした放浪者は、千護とロバートが仮住まいとして使っている家に訪れていた。玄関の扉をノックしてから、しばらくして千護が銃を構えながら扉を開け、放浪者と気づいて下す。

どうしたのかと問われ、ロバートが昨日自分に会いに来たと聞いたと答えると、呼んでくるからそこのソファーで休んでてくれと彼を呼びに行く。彼女が指したソファーの前に、明かりがともされていた。昔ながらの、油を入れた恐らくは耐熱皿と、芯となる紙か何かに油をしみこませたものに火をつけているものだ。

2人がいる家には残念ながら電気は通っていない。そのこともあって以前、拠点内で活動しても構わないと言ったのだが、愛着が沸くと離れがたくなるからねと千護は笑って断ったのだった。

しばらくするとロバートが、おどおどした様子で部屋の中に入ってくる。それを見た千護が、居たほうがいいかいという言葉に、彼は大丈夫とどもりながら答えて、放浪者の真ん前のソファーに座った。彼女も、何か思うところがあるのか、しばらく何も言わないまま放浪者とロバートを見てから、部屋に戻っていった。

「…昨日、俺に会いに来たと聞いた。何かあったのか?」

覚の話で何をしに来たかは、当然放浪者は知っている。しかし、あえてこう聞くのは、近くの覚にロバートの思考を読ませるためではなく、覚の存在、いや、その力を流布させないために知らないふりをしている。2人が拠点のメンバーではなく、そしてその内ここを離れてしまうことがわかって以上は、そのことを知らないでいる方が拠点の安全性が高まる。

拠点を治める者として、当然の配慮といえた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/747.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice