過去ログ - これから日記を書く 五冊目
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35: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/05/01(日) 03:07:55.90 ID:C67B//WT0
だが、それだけでは解決できない問題が、このゾンビ化現象には残っている。

「…、その副作用の中に、人間がそれ以外に変異することも、含まれているのか?」

ロバートはそれを否定した。RPは本来、人体の再生能力を高め、それによる治療を目的とした計画であり、何かを変えてしまうようなものではなかったと。

「で、でも。う、噂があった。だ、WWPがRPに目をつけたのは、その、生物兵器をつ、作る為だっていうんだ」

RPについては、途中から他の研究者の手に渡り、ロバートは関われなくなっていた。最終的には計画に関わる人間として、ほぼ軟禁状態に置かれたと言う。つまり、RPはそれほどの重要度を持っていたということ、そしてロバートから手が離れた後に、技術に新たな改良が加えられた可能性があるということだ。

「僕が…。RPの研究に尽力、したから…」

ロバート、と放浪者が声をかける。この惨劇を招いたと考えるロバートは、全身を大きく震わせた。

「…この話は、あくまで可能性でしかない」

怒る訳でもなく、慰める訳でもなく、ただ事実だけを放浪者は言う。考えてもいない反応に、ロバートも少し呆けた顔になった。そして、いつものように情報を提供してもらえたことに礼を言う。それ以外の話はないことを聞くと、放浪者は立ち上がって家から出ようとする。

玄関のノブに手をかけたあたりで、ロバートは意を決して声をかける。君は、僕を責めないのかと。

「…言ったはずだ。可能性でしかないと」

本当にそれだけ言って、彼は2人の仮住まいを後にした。


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