836: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/08/27(土) 03:49:57.50 ID:+Kj34yq50
誰かがきていると言う覚の助言もあり、警備組は普段より警戒を強めていると、見慣れた装甲車が都市側のバリケード向こうからやってきて止まる。当然そこから出てきたのは、社長とその社員の3人組だった。番をしていた三間がそこまで待つよう言ってから浜村を呼ぶ。
農作業をしていた浜村と、その手伝いをしていた喜読が3人と対面する。やり取りはいつも通りの物々交換による取引だ。拠点は貴重品類を集めていない為、自然とこのやり取りとなる。
「どうかされましたかぁ。お客様ぁ?」
そのやり取りをジッと見ていた喜読に対して、社長に笑顔を向ける。彼女も同じように営業用の当たり障りのない笑顔を作って、こう尋ねた。
「1つ、お伺いいたします。今お手元にある商品で、希望する商品がなかった場合、発注することは可能なのでしょうか?」
惨劇後の世界では貨幣は価値を失い、物々交換による取引へと逆行している。社長達はどこで確保しているかはわからないが、様々な物資を持ち合わせているものの、拠点側として重要性が高い物資を持っているかは別だった。
喜読から見て、今回の取引が実入りのあるものには見えなかった。今後、拠点を発展させていくならば、力を持つ取引先と、より有意義な取引方法ができるよう契約を結ぶべきと、彼女は考えたのだ。
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