857: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/08/31(水) 04:19:36.35 ID:Gc294ckW0
「…流石に狭いか」
放浪者は、朝早くからメンバー全員を応接室に集合させた。来た当初は全員を一室に集めても、スカスカだったことを思えば、今目の前にいるメンバーは彼と、そして山中が行ってきた結果だった。
「なンかあっタっすか?」
何も聞かされてないメンバーの思っていることを、佐原が代弁する。彼は今日は久しぶりの休日ということもあり、まさか何かトラブルで任務が発生したのかが心配しているところだ。
放浪者が問題はないと告げると、覚以外のメンバーは胸をなで下ろす。基本的に、彼がメンバーを集めて話をすると言う時は、かなり重大な事態が迫っていることが多かった。当然の反応だろう。
「…折角迎えられた新年だ。節目を作るにはいい機会だと思ってな」
命の危機にさらされる日々でありながら、日ごろ行うことは同じメンバーと、似たような任務をして過ごしている。一人で休暇を取ってどこかに出かける、なんていうこともできない閉鎖的な日々を過ごすには、区切りが必要だ。
放浪者は両手を前に出してから、一本締めだと言った。メンバーもそれに倣って両手を出した。
「…皆の協力に感謝する。今年も、よろしく頼む」
その言葉の後の合図で、メンバーは同時に手を叩いた。
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