877: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/09/03(土) 05:05:56.92 ID:ab2PVF4o0
その後、サポートチームでの情報確認のやり取りを終えた足で、放浪者はアリスの研究室へ訪れた。いつもなら、よくわからないテンションでいるアリスが、少し眠たそうにしているのが印象的だった。
「ん〜。放浪者きたネ。はい、新しいファントムシリーズだヨー…」
いつもなら、ハイテンションで開発するものを説明するはずの彼女が、気の抜けた感じで手渡してきたのは、文字通り槍だった。神経接続装置と連動する部分がある以外は本当にシンプルな物だ。
この武器の目的は、フロートボード系列に乗っている際の使用を前提としている。ウェーブソード・デュエルも比較的長い剣ではあるが、フロートボードの加速を乗せた突きを行うなら槍が適しているのは間違いない。
シンプルにスピアと名付けられた武器の唯一の特徴は、山中のアラクネシリーズと同じ原理で、伸縮することができる。射出にて攻撃し、使用しない際は格納できるよう配慮したものだ。
「ううん。まだなにかあるかナ…。ふあ〜」
どうやら寝不足でテンションが低いように放浪者は見えた。何らかの不和などで気分が悪い訳でないなら、気にする必要はなさそうだと判断する。これ以上は何もないと言うと、彼が受け取りに来るのを待っていたのか、椅子からアリスは立ち上がった。
「眠いー。今度、山中も連れてきてネ。おやすみー」
その意味を聞こうとしたが、本能の方が強すぎるのかそのまま研究室からアリスは出ていく。アリスが山中に用があるとすれば、アラクネシリーズぐらいとは思うが、野木は何も言っていない。そのことは引っかかったが、彼女同様に用が無くなった放浪者も、そのまま研究所を後にした。
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