981: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/09/16(金) 03:01:44.05 ID:9o+i31fk0
周囲はフェンスで囲まれ、軍用のテントと簡易なヘリポートが設けられた野戦キャンプがある。一つだけ大きなテントがあり、その中央にパソコンが置かれた大きなテーブルと、セットで置かれた椅子に肌の色合いが白く透き通るような肌を持つ者が座っている。
「隊長、捜索隊より死傷者多数との報告がございました」
報告に来た兵士は、その相手を恐れる様子で立っている。隊長と呼ばれ相手は、聞いているのかわからない様子で両目を閉じて、返答をしない。
明らかに居心地が悪い間が続いてから、隊長はその詳細を聞いた。兵士は探索隊に残っている人数や、その場所での状況を説明する。
「ゾンビが意思を持つように集団で襲ってきたか。新兵共には少々きつい相手だな」
以前より報告があったゾンビを操る、ゾンビの亜種だろうと隊長は見当をつける。ただ、それ以外のゾンビの亜種を操るとは聞いたことはなく、更なる進化を遂げていると考えられた。
例の逃亡者を追跡し、壊滅した先発隊を殲滅したのはその亜種の可能性も浮上したが、隊長はその考えをすぐにかき消した。ゾンビの亜種がいくら強力でも、上空にいるヘリを倒す術はほぼない。やはりレジスタンス絡みと考えるのが妥当だった。
それに、逃亡者の手からチップが無くなったのを確認してから、かなりの時間が経過している。全てではないにしても、HP(ホムンクルス計画)の解析はされているはず。手に渡る前に片をつけたかったが、こうなったのであれば流出したと判断するしかない。
そして、それであれば兵士を無駄に消耗するのは愚策と判断した隊長は、捜索隊を引き揚げるよう命じた。
ただ、以前よりあの地域でWWPが活動する際、何者かに襲撃される事件も起きている。レジスタンスが根城にしている可能性は高く、兵士に今後は要注意エリアとして情報を残すようにも指示した。
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