41:現実 ◆F0XtKsib.M[sage saga]
2016/05/22(日) 23:34:36.02 ID:GbR85Nrg0
科学者「事態を引き起こした"皮"と"あん"について説明する。"皮"はスマートフォン、君も持っているそれだ。
人々の豹変はそれによって起こっている。ただし持っているだけではあの様にはならない。そのスマ
ートフォンのアプリPINEを起動することにより"あん"が働く。その"あん"というのが昔話題になった
サブリミナル効果だ」
男「確か識閾下云々ってやつですよね。でもそれは効果がーー」
科学者「そう。劇的な効果は得られない。だから私達は研究を続けてきた。そしてやっと、任意の無意識を引
き出す事に成功した。識閾下の刺激を認識させる事に成功したんだ。これを限定廃閾と名付けた」
男「でも一体なんの為にそんな研究を」
科学者「例えば限定廃閾を使うと癖を常に意識出来るようになる。爪を噛む為に手を口元に持ってくる筋肉の
動きを認識出来るようになるから手を動かす前に気付ける。他にも夢遊病や吃り等の治療も見込める。
私はそれがやりたかった。ところで君はこしあん派? つぶあん派?」
男「えっ? うーん............つぶあん派ですかね」
友「!」
科学者「素晴らしい。君は立派な大人になれる。話を戻すと実はこの"あん"はつぶあんだ。あんこはサブリミナル効
果、つぶは限定廃閾。PINEを起動すると"無意識"に命令が刷り込まれ、幾つかの機能のうちのどれか一つを
使うことでその命令を強制認識させる。具体的にどんな命令かは分からないが、とにかくPear社はそういう
使い方をした。そしてこの技術はCMにも使われている。だから残念ながら、都市部は壊滅だ」
男「............」
科学者「私はこんな結末を望んだ訳ではない............でも私は無意識に、こうなると分かっていたかもしれない」
男「じゃあ何故Pear社に技術提供なんかしたんですか!」
科学者「こればかりは、仕方なかった......」
男「............」
科学者「私からの説明は、以上だ」
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