過去ログ - レシプロ時代の最後を見た男の話
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23: ◆9l/Fpc6Qck[saga]
2016/04/28(木) 23:34:15.23 ID:SVTkSqQb0




荒野に囲まれたこのだだっ広い自社飛行場の片隅で、あの時の誘導員のせがれが“回せ”という指示を出し、かつての作業員が慌ただしく機体に取りついた。
アル中となった作業員が手でプロペラに回転を与えると、ジジイとなったもう一人がコクピット後方の慣性始動機に突き刺さったクランクを思い切り回した。

しばらくして、前方の作業員が震える手で“グッド”の形を作り、それを確認した男は顔に再び笑みを浮かべた。

あの後、さらなるチューンを加えた特製のP&WのR-4360星形28気筒エンジン改がブルンと唸りを上げる。

やがて、巨大な計六翅のプロペラが力強く交互にはためいた。
あの時のように、アスファルト上の塵屑を一斉に宙へと舞い上げながら。







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