過去ログ - 藤原肇「しんしんと、あたたかい夜に」
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14:名無しNIPPER[saga]
2016/04/29(金) 21:39:55.68 ID:rKPg5CH/o

 「……こうして列車で向かい合っていると、秋を思い出しますね」

黙り込んだ俺に苦笑して、肇が話題を振ってくれる。

 「あれから半年弱か。早いもんだ」

 「茶碗、使ってくれていますか?」

 「……」

 「私は使っていますから。いつでも、ご遠慮なく」

肇と揃いの、桜をあしらった茶碗。
夜桜の描かれた、大ぶりな俺の茶碗と。
満開の桜を描いた、小ぶりな肇の茶碗。

 「肇」

 「はい」

 「……喋らせたいのか黙らせたいのか、どっちなんだ」

 「Pさん次第です」

 「俺は――」


言葉を続けようとして、視界の端に桜が舞った気がした。



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