過去ログ - 藤原肇「しんしんと、あたたかい夜に」
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34:名無しNIPPER[saga]
2016/04/30(土) 16:54:02.62 ID:O3uXh0RPo
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掌の中の振動で、すっかり寝入っていたのに気が付きました。
ぼんやりする頭でアラームを止め、じっと耳を澄ませます。

 「……」

深夜二時、まだ列車は停まったままのようでした。
静かな室内で唯一聞こえるのは、規則正しい呼吸音だけ。
被っていた毛布をそっと退けて、極力音を立てないように起き上がりました。

 「寒い……」

寝る前に入っていた暖房は切られていたようです。
冷たくなった鼻の頭を指で揉みほぐして、ベッドの上から室内を見下ろします。

 「……」

あまりに予想通り過ぎて起こる気力も湧きませんでした。
溜息をついて、ひたひたと梯子を降ります。

 「……はぁ」

Pさんはソファーに座ったまま、規則正しい寝息を立てていました。
机の上にはタブレットとカメラと、それから伏せられた文庫本。
身体に掛けられていたらしき毛布はすっかりずれて、申し訳程度に片膝を覆っています。
ネクタイは流石に解いていて、それ故に寒そうでした。


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