過去ログ - 藤原肇「しんしんと、あたたかい夜に」
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8:名無しNIPPER[saga]
2016/04/29(金) 19:32:10.49 ID:rKPg5CH/o
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急行ではない為、速度も抑え目だ。
それを差し引いてもこの列車は揺れも無く静かで、技術の進歩を実感させる。

 「……行きの慌ただしさが嘘みたいです」

個室の車窓に流れる東北の風景を眺めながら、肇がぽつりと呟いた。

 「ミスはどう注意したって起きる。幸い今回は肇が空いてたが」

 「幸子さん、今頃は何をしてらっしゃるんでしょう」

 「そろそろ釣り場に着いた頃かもしれないな」

最新鋭の列車。その乗車レポートを終えて、肇は一息ついている。


輿水さんのダブルブッキングが発覚したのはつい三日前だった。
海外ロケの出発直前という事もあり、大慌てで代役を探し回ったらしい。
そこで白羽の矢が立ったのがスケジュールの空いていた肇。
申し訳無さそうに謝罪しながら、輿水さんを引き摺って担当はアラスカへと向かっていった。
釣りと聞き、てっきりそちらへ肇を充てるのかと思えば、彼は頑として否定した。


 「ノルウェーが気に入っていたようですし、きっと楽しんでいるでしょうね」

 「ああ。何でも大自然とサーモンとグリズリーが名物らしい」



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