過去ログ - 仁奈「人間の気持ちになるですよ」
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139:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 21:48:19.14 ID:McxO4jKM0
『警察の人がね、言ってたのよ。知ってる? ……反社会性パーソナリティ障害、ってそんな病気のこと』
あまり聞き覚えのなかった私は首を横に振った。
140:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 21:55:37.08 ID:McxO4jKM0
……。
反社会性パーソナリティ障害。
私は、ぼんやりとしていた頭を開かれた本のページに向ける。
141:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:03:30.24 ID:McxO4jKM0
サイコパス――。
その項目に目が移る。
「サイコパス……ってどこかで聞いたことがあるような……」
142:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:07:11.06 ID:McxO4jKM0
「あんまり……参考にはならなかったわね……」
もしかすると、彼の中に潜む何かが分かるのかもしれないと思っていた。
けれど、それは憶測のまま終わってしまった。
143:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:09:54.46 ID:McxO4jKM0
「……?」
じっとその辞表を眺めていた時、置いていた本のページがぺらりと捲れた。
144:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:12:16.03 ID:McxO4jKM0
「……」
私は事務所の扉の前に立ち尽くしていた。
早くこの場から去ってしまいたいとそう思っていた。
145:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:15:30.65 ID:McxO4jKM0
あの一件から、私は久しぶりに彼女の顔を見た気がした。
……ずっと彼女の姿に怯えていた自分を恥じるかのように、私は彼女に頭を下げる。
「ごめんなさい、仁奈ちゃん……」
146:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:18:54.27 ID:McxO4jKM0
「仁奈ちゃん、今何かしてたの……?」
ふと、彼女の傍らに何かが置かれているのに気付いた私は彼女にそんなことを尋ねかけた。
147:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:22:09.99 ID:McxO4jKM0
「仁奈、この本を読みたくて、プロデューサーにもらって嬉しくて……それで……」
彼女は、ぼそぼそと自らの気持ちを呟いていた。
フラッシュバックするのは、あのときのプロデューサーの言葉だった。
148:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:29:24.42 ID:McxO4jKM0
カチリ、とパズルのピースが合わさっていく感覚を味わった。
「仁奈、プロデューサーに美優おねーさんにこの本を貰ったことを言ったのを怒られて……」
149:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:33:52.97 ID:McxO4jKM0
『ソシオパス』――最後のピースが、私のパズルを完成させた。
あの日、私は図書館で『ソシオパス』という言葉を初めて知った。
そこにはこんなことが書かれていた。
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