過去ログ - 仁奈「人間の気持ちになるですよ」
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146:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:18:54.27 ID:McxO4jKM0

「仁奈ちゃん、今何かしてたの……?」

ふと、彼女の傍らに何かが置かれているのに気付いた私は彼女にそんなことを尋ねかけた。

以下略



147:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:22:09.99 ID:McxO4jKM0

「仁奈、この本を読みたくて、プロデューサーにもらって嬉しくて……それで……」

彼女は、ぼそぼそと自らの気持ちを呟いていた。
フラッシュバックするのは、あのときのプロデューサーの言葉だった。
以下略



148:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:29:24.42 ID:McxO4jKM0

カチリ、とパズルのピースが合わさっていく感覚を味わった。

「仁奈、プロデューサーに美優おねーさんにこの本を貰ったことを言ったのを怒られて……」

以下略



149:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:33:52.97 ID:McxO4jKM0

『ソシオパス』――最後のピースが、私のパズルを完成させた。

あの日、私は図書館で『ソシオパス』という言葉を初めて知った。
そこにはこんなことが書かれていた。
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150:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:38:57.60 ID:McxO4jKM0

それはあまりにもおぞましい事実だった。
幼い彼女を自分と同じに染めようと、そう考えていた――そんな現実が。

「……美優おねーさん?」
以下略



151:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:45:55.86 ID:McxO4jKM0

「……」

――仁奈ちゃんは、いつだって「寂しい」と口を零していた。
――仁奈ちゃんは、あの日、親を頼ることをせず、『ネコのぬいぐるみ』を私に作ってほしいと頼んだ。
以下略



152:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:48:12.48 ID:McxO4jKM0

「ねえ、仁奈ちゃんそれ、今日のお昼ご飯……?」

私はテーブルの上に置かれたお弁当を指さした。

以下略



153:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:52:51.74 ID:McxO4jKM0

「私ね、ちょっとハンバーグ食べたいなって思ってたの……。どう、私のお弁当と交換しないかしら……?」

「ええ……でも、これ美優おねーさんの手作り弁当でごぜーます……」

以下略



154:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:53:20.17 ID:McxO4jKM0

くしゃり、と私は一枚の紙切れを捨てた。
もうアイドルは続けない、そう心に誓ったはずだった。

けれど……彼女のことを、仁奈ちゃんのことを放っておけるはずがなかった。
以下略



155:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:54:00.19 ID:McxO4jKM0

ソシオパス:『後天性』のサイコパスという位置づけにされている。おもに幼いころの『生活環境』によるもので、たとえば育った家庭環境が悪く、身体的・精神的虐待を受けていた、幼少期のトラウマなども含まれており……。



以下略



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