過去ログ - 仁奈「人間の気持ちになるですよ」
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21:名無しNIPPER[sage]
2016/05/02(月) 10:34:21.96 ID:n1ep/XFSO
ピ、ピグマリオン
22:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 00:03:43.19 ID:K9fDOchI0
「プロデューサー、ありがとうごぜーました!」
車で仁奈ちゃんを家まで送ってくれたプロデューサーさんに対して、彼女は嬉々として笑顔を見せていた。
私はプロデューサーさんの影から小さく仁奈ちゃんに手を振る。
23:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 00:05:51.54 ID:K9fDOchI0
「何かあったら、仁奈にいつでも言ってください」
心配そうに声を震わせる彼女を、思わず私は抱きしめる。
ふんわりと仁奈ちゃんの優しい香りが辺りに漂った。
24:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 00:11:50.89 ID:K9fDOchI0
「それじゃあ、仁奈。また明日な」
仁奈ちゃんは大きく手を横にぶんぶんと振っていた。
車に乗り込んでからも、私たちの車を寂しそうな目で見つめていた。
25:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 00:17:29.99 ID:K9fDOchI0
ようやく見えなくなったころ、独り言のようにプロデューサーさんが言葉を漏らした。
「……俺も小さいころはよくやってたよ」
26:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 00:26:18.75 ID:K9fDOchI0
「きっと、もう自分と一緒にいてくれなくなっちゃうんじゃないかって思ってるんだ」
車内のラジオは淡々とニュースを流す。
その雑音の中で、プロデューサーさんの声はやけにはっきりと聞こえた。
27:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 00:40:22.21 ID:K9fDOchI0
あの日から暫くして、私も幾分落ち着きを取り戻していた。
仕事もしっかりとこなし、何の問題もない日々が再び訪れたことに、安堵を覚えていた。
ただ一抹の不安があるとすれば……それは。
28:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 00:42:00.12 ID:K9fDOchI0
そう――彼女こそ、私の不安の種だった。
あの日、寂しそうにしていた彼女の顔、そして頭に残った傷、プロデューサーさんの言葉。
それがどこかシコリのように、頭の片隅に消えずに残っていた。
29:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 00:48:40.25 ID:K9fDOchI0
「美優おねーさん、コレみてくだせー!」
そんなことをぼんやりと考えていた折、仁奈ちゃんは嬉しそうな声で私の名前を呼んだ。
さっきまでの考えを取り払うために、ぶんぶんと頭を振ると、すぐに仁奈ちゃんの方を見た。
30:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 00:49:09.95 ID:K9fDOchI0
ここまで。
31:名無しNIPPER[sage]
2016/05/03(火) 01:06:20.34 ID:agQyq40n0
乙
ホラーなの?
ホラーなの……?
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