過去ログ - 仁奈「人間の気持ちになるですよ」
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83:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 01:32:44.89 ID:WUniQ4aR0

「今、どこにいるんだ――?」

「もうすぐ……いつもの部屋に着きます」

以下略



84:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 01:36:34.70 ID:WUniQ4aR0

引き返そうか、とも考えた。
けれどプロデューサーさんの意図も分からないまま引き返していいのだろうか。

「……話だけでも聞かないと」
以下略



85:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 01:46:30.00 ID:WUniQ4aR0

「ふぅ……」

気持ちを落ち着かせようと小さく息を吐く。
暗闇は依然として私の心を不安で埋めようと様子を伺っていた。
以下略



86:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 01:51:16.17 ID:WUniQ4aR0

「……」

暗闇の中に一人でいるという恐怖は、孤独という寂しさを際立たせるからなのだろうか。
落ち着かない気持ちを和らげようと、私は近くにあった椅子に座った。
以下略



87:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 01:55:02.10 ID:WUniQ4aR0

じっとその扉を眺めていた矢先。
どこからかガタン、ガタンと大きな音が鳴り響いた。
びくりと肩を震わせると、その音がちょうど私が入ってきた扉の向こうから聞こえたこともあり、何が起きたのか確かめようと席を立とうとした――そのときだった。

以下略



88:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 01:57:28.51 ID:WUniQ4aR0

「はい、もしもし……」

通話ボタンを押した私は、スマホを耳に押し当てる。

以下略



89:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 02:00:55.48 ID:WUniQ4aR0

「いえ……あの、プロデューサーさんは今どこに……?」

「もうすぐ俺も事務所に着く。今ドアをあけるから――」

以下略



90:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 02:03:50.30 ID:WUniQ4aR0

「あの電話がまだ繋がって――」

「こんな夜遅くに大変だったろう? 本当に悪かった」

以下略



91:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 02:09:24.26 ID:WUniQ4aR0

一歩ずつ、プロデューサーさんはこちらへ歩みよってくる。
コツコツと革靴の音が響く。目の前にいる彼の声は電話を通じて、まるで目と鼻の先にいるかのような錯覚を覚えさせた。

「なあ、美優……。お前、最近悩みでも抱えてるんじゃないか?」
以下略



92:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 02:16:47.24 ID:WUniQ4aR0

「悩み……ですか?」

「ああ、例えば――仁奈のこととかさ」

以下略



93:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 02:23:25.78 ID:WUniQ4aR0

目の前までプロデューサーさんが来たとき、私は息をのんだ。
その瞳は私の姿を捕えていた。

彼はそこで初めて、にやりと笑みを見せた。
以下略



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