過去ログ - 理樹「欲望という名の電車の座席」
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14:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 22:41:51.12 ID:lU9U+GUx0
理樹(そう言えばさっきからおかしいぞ…恭介はこういうことについて誰よりも早く機転が利く人のはず。僕らの攻撃に対して華麗に防衛手段を次々と用意してきたのがその証拠。何故何もしない……?)

恭介「ぐっ…………!」

理樹(その恭介がうめき声を上げた。その顔は本当に苦しそうだ)

サスサス

恭介「うっ…!?」

理樹(そしてお腹の方を摩り驚愕の顔でその手を見た。………紅く染まっている。血だ)

恭介「なんじゃこりゃあ!?」

理樹「き…恭介!?」

真人「おいおい嘘だろ!?なにがあった!!」

鈴「どうした?」

「う、うわぁ!」

「キャー!?だ、誰か!あそこの子が血を流してるわ!」

理樹(恭介の腹から血が流れ始めてきた。その真っ白なシャツが赤色で侵食していくように車内に不安の波が押し寄せる)

謙吾「どこで怪我した!?」

恭介「わ、分からない……」

「とりあえず席を使いなさい!」

恭介「あ、ああ……どうも……」

理樹(ヨロヨロと座席に向かう恭介。写真を撮ったり興奮気味に隣の人と話し合う乗客達。そんな中、彼は僕だけにしか見えないような角度でなんと……笑って見せたのだ)

恭介「だ…だめだ…まだ笑うな。こらえろ……」

理樹(感心してしまった。それと同時にこの人には絶対勝てないと確信した。彼は豪快に座る手段を編み出したのだ。しかし解せない…一体どこであの血を?……いや、そうか!あの時に……)


2時間前

恭介『おっ、こんなところにパーティー用グッズが置いてあるぜ』

理樹『でもどれもこれも変なものばかりだね…』

恭介『そうでもないぜ?この血糊とかは使えそうだ』

理樹『それも変なものの一つだよ!』


理樹(あの時既にこうなることを予見していたのか!い、いいや、それは流石の恭介でも不可能だ……そうか、だから時間がかかったのか!きっと僕らが死に物狂いで座席に座る方法を考えていた中、ひとり気付かれないよう準備していたに違いない!)

恭介「ぐふっ………」

鈴「恭介!」

理樹(苦しそうな顔をするものの眉をピクピクさせて今にも笑いそうな恭介とは逆に他の人(僕を除いて)は心底心配そうにしている)

恭介「勝ったぞ……!」ボソッ


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