過去ログ - 就活生「私の『特技』は、他人を自殺させることです」
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14: ◆BEcuACNawuaE
2016/05/02(月) 22:41:58.34 ID:hxg9Q7/i0

「バカを言うな! 面接官も、営業も、会社の利益を上げるために日々努力しているんだ! 決してそんな、他人の足を引っ張るようなことはしていない!」

 私が××の真意を探っている間に、若手社員はどんどん言葉を荒げていった。
 まずい、××の言葉も異常だが、彼も感情的になりすぎている。一旦止めるべきだ。
以下略



15: ◆BEcuACNawuaE
2016/05/02(月) 22:44:55.78 ID:hxg9Q7/i0

「お、お前、いきなり何だ!」

 若手社員は突然の事態にパニックになり、××の腕を必死に振りほどこうとする。
 私も何とか××を止めようとしたが、彼は無我夢中で若手社員に掴みかかっていた。
以下略



16: ◆BEcuACNawuaE
2016/05/02(月) 22:46:52.13 ID:hxg9Q7/i0

「なんて奴だ……□□さん、そいつを何とか押さえていてください。今、人を呼んできます」

 若手社員は部屋を出て他の社員を呼ぼうとする、だが私は彼を止めた。

以下略



17: ◆BEcuACNawuaE
2016/05/02(月) 22:48:11.43 ID:hxg9Q7/i0

「……さて、君がどういうつもりであんなことを言ったのか、聞かせてもらおうか。一応言っておくが、まだ面接は続いている。これは君の自己PRに対する質問だ」

 あくまで面接の体を保つために言った言葉に××も反応し、私の質問に答えた。

以下略



18: ◆BEcuACNawuaE
2016/05/02(月) 22:50:59.29 ID:hxg9Q7/i0

「だって、そうじゃないとおかしいはずです。僕はあんなに自己PRも志望動機も練ったのに、面接官はそれを悉く否定して、僕をとことん追い込んで殺そうとしてきました」
「……」
「だから僕は思ったんです。面接官って、さぞ楽しいんだろうなって。他人を追い込んで自殺させて、彼らはさぞ優越感に浸れるんだろうなって。だから僕は面接官になろうとこの自己PRを……」
「あのなあ……」
以下略



19:名無しNIPPER[sage]
2016/05/02(月) 22:52:21.82 ID:+yO6XndKo
うむ


20: ◆BEcuACNawuaE
2016/05/02(月) 22:53:04.13 ID:hxg9Q7/i0

「××くん……確かに君は就活をする過程で辛い目にあったのかもしれない。だが、君は本当に面接官が救いようのない悪人であると思っているのか?」
「当たり前です! そうでないと……」

「『そうでないと』、自分が落ちこぼれの人間に見えてしまう。だから君は面接官を必死に悪者にしようとしたんじゃないか?」
以下略



21: ◆BEcuACNawuaE
2016/05/02(月) 22:55:18.36 ID:hxg9Q7/i0

「××くん、君は面接官を敵視している。救いようのない悪だと思い込もうとしている」
「……」

「だけど考えてもみてくれ。君はその面接官がいる会社で働こうとしているんだ。自分を敵視している人間を、面接官が採用すると思うのか?」
以下略



22: ◆BEcuACNawuaE
2016/05/02(月) 22:56:13.96 ID:hxg9Q7/i0

「結論から言って、君を採用することは出来ない。だけど私は……いつか君が胸を張って自分の本当の『特技』をアピール出来ることを願っているよ」
「はい……」
「さあ、受付まで送ろう。今回のことはここだけの秘密にしておく」
「すみませんでした……」
以下略



23: ◆BEcuACNawuaE
2016/05/02(月) 22:57:07.18 ID:hxg9Q7/i0

 世の中には、確かにストレス解消のために就活生を利用する面接官や、必要以上に圧迫した態度をとる面接官もいるのかもしれない。
 ××の言葉が、それを示していた。私には彼が特別に思い込みが激しかったようには見えなかったし、彼以外にもあのような過激な考えを持つ就活生も出てくるかもしれないと感じた。

 ……そしてもし、我々面接官がそれに気づかずに横柄な態度を取り続けていたら。
以下略



24:名無しNIPPER[sage]
2016/05/02(月) 22:57:47.84 ID:s5etOTF7O
オチはまだか?


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