過去ログ - 凛「おとぎ話の」卯月「王女でも」
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15: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:46:06.75 ID:1rU0iPMQo
  
 <凛> 
  
 いつも。 
 気づけば、私たちは甘いものばかり食べている。 
16: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:46:37.59 ID:1rU0iPMQo
  
 パフェにケーキ、クッキーにチョコレート。 
 卯月と二人でいる間に、アイドルじゃなくて”女の子”の私が作られていっているみたいで。 
  
 甘いものを口実に、二人の世界を作ってる、ってことなのかもね。 
17: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:47:04.76 ID:1rU0iPMQo
  
 そうやって……、甘くて・冷たくて・すぐに溶けてしまうものを。 
 今日も、また次も、って一緒に分かち合うんだろう。 
  
 いつか、この関係が溶けてなくなってしまう時まで。 
18: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:47:31.70 ID:1rU0iPMQo
  
 ずっとこうして居られるとは思ってない。 
 望んでは、いるんだけど。 
 今は同じ方向を向いているから、同じ道を歩んでいるから、こうやって一緒に居られるんだ、って。 
  
19: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:48:11.05 ID:1rU0iPMQo
  
 卯月は皆から好かれている可愛い女の子だから、いつかちゃんとした王子様が現れるって思ってる。 
 その時、私は? 
  
 ”仲の良かった友達”として、彼女の隣に立っているのかな。 
20: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:48:46.27 ID:1rU0iPMQo
  
 それは、……嫌だ。 
 それだけは、嫌。だけど、 
  
 …いつまで、私は卯月の”一番”で居られるんだろう? 
21: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:49:13.79 ID:1rU0iPMQo
  
 …まだ、わからないけど。 
 考えられないけど。 
  
 それでも。 
22: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:49:45.63 ID:1rU0iPMQo
  
 <卯月> 
  
 ……凛ちゃんの、アイドルの道が終わったらどうしよう? 
  
23: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:50:21.84 ID:1rU0iPMQo
  
 私と違って……、アイドルを、この世界を目指して来た子じゃなくて、 
 この世界にぱっ、と入ってきた子だから、この世界からぱっ、と消えてしまいそうで、ちょっと怖いんです。 
  
 ……急にいなくなったり、しないよね? 
24: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:50:49.95 ID:1rU0iPMQo
  
 うーん。 
  
 私、ずっと凛ちゃんのそばに居られるのかなぁ。 
 私だけの凛ちゃんで、凛ちゃんだけの私で、居られるのかなぁ。 
25: ◆K1VRYfmMqw[saga]
2016/05/03(火) 04:51:23.37 ID:1rU0iPMQo
  
 ……本当は、いつだってずっと一緒に居たいんです。 
 ずっと、凛ちゃんの声を聞いていたい。卯月、って呼ばれたい。 
  
 電話を切る時も、分かれ道でさよならをした後も、淋しさが溢れてきて。 
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