3: ◆iIsZzNIzns[saga]
2016/05/03(火) 21:57:41.52 ID:qTOubQrW0
― セシリア 自室 ―
セシリア「そんなっ!!! うそっ!? ありえませんわああああぁ〜!」
自室にて、体重計に乗ったまま蒼天に届けとばかりに雄叫びを上げた縦ロールのある長い金髪の彼女は、セシリア・オルコットという。
イギリスの代表候補生。専用ISは「ブルー・ティアーズ」。イギリスの名門貴族のお嬢様である。
セシリアは青ざめた顔で、これでもかと慌てふためいている。
あの時食べたサンドイッチか、それともあの時食べたパスタか、はたまた、あの時食べたステーキか。めまぐるしくセシリアの脳内をかけめぐる。
セシリア「お菓子も我慢しましたのに……こ、ここ、これは……何かの間違いですわっ!」
そう思い、自分の体を見下ろした。
……最近苦しくなった気がする、お腹が見えた。
セシリア「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!? い、いつのまに……」
セシリア「確かに、最近、着ていた服が合わなくなったりしましたけど……でも、でも……っ!」
セシリア「(そんなにっ!? そんなにわたくし、太りましたの!?)」
後悔先に立たず。打ちひしがられるセシリアを慰める者は誰もいなかった。
セシリア「はぁ、ダイエットしなければなりませんわね」
――とは、いうもののこの時点ではそう悲観的になってはいない。
身支度を終えて食堂に向かうと丸机の前には、二人の男女が座っていた。
いつも通りの、朝食後の一時を楽しんでいた、一夏とシャルロットである。
愛する一夏を見かけて声をかけようと手をあげた瞬間――。
一夏「――よかった。俺、太った女は嫌いなんだ」
――ピシッ。
手を上げたまま固まるセシリア。
気高く美しい笑顔の一夏の口から紡がれた言葉は、余りに残酷で、タイムリーだった。
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