過去ログ - モバP「楓さんと同じ高校だったら」
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2016/05/03(火) 23:04:41.73 ID:d30ie544O
 「はい」 
  
 彼女は顔を伏せた。 
  
 「俺、高垣さんに話があってさ」 
  
 「……はい」 
  
 すこし遅れて返事が来る。 
  
 「俺、今まで誰とも付き合った事ってないんだ。高二にもなって変かな」 
  
 言ってしまった。ドン引きとかされてないよな。彼女が顔を伏せている所為でわからない。 
 しかしそれは杞憂だった。高垣さんはきっちりと正面を、俺を向いて言ったのだ。 
  
 「そんなことないです」  
  
 彼女の顔は真剣そのもので、ああ、高垣さんになら全部話してしまってもいいかと思った。 
 というかここで肯定されていたら、多分泣きながら屋上から帰る羽目になっていた。やはり持たざる者は、一生持たざる者と悟るところだった。 
  
 「そう言ってくれると嬉しい」 
  
 「はい」 
  
 いうと、彼女は赤面し再び俯いた。 
 流石に暑くなってきたのだろうか。用件を早く言わなくてはいけないようだ。 
  
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