過去ログ - モバP「楓さんと同じ高校だったら」
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2016/05/03(火) 23:08:41.37 ID:d30ie544O
 彼女は、小さく繰り言のように言った。 
 世界から音が消えた。 
 は、え?告白?酷薄ではなく?いやだって酷薄だったら意味が通じない。告白、告白。告白っていうのはあの告白か?罪を告解するほうじゃなくて、あの、男女間でのみ起こり得るアレ。 
 いやいやいやいや、ありえない。だって高垣さんだぞ。高嶺の花にも程がある。彼女が、俺の告白を期待してたって、え?本当に?嘘だ!いや本当であった方がいいけど嘘だ! 
  
 「ここまで言うと、わかると思いますけど、好きです」 
  
 「……」 
  
 俺は黙っているだけだった。静かにその声を聞いていた。 
 相変わらず、世界からは音が消えたみたいで、彼女の声だけが耳に届く。 
 再び、顎から汗が垂れた。その行く末は追わず、俺は彼女を見つめていた。 
  
 「私って、誤解されやすいんです。あまり口が達者ではないので。余計な事は言えるんですけどね」 
  
 だから、と続ける。 
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