過去ログ - 【モバマスSS】「はんぶんおとな。はんぶんこども」
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6: ◆kXGFzRinFumi[saga]
2016/05/04(水) 04:15:17.34 ID:Ga39tkM/0

***



「それで、どんなお願いなんですか?」

蛍光緑に身を包んだ事務員はことん。と男の前に湯呑を置き対面に座るとそう言った。

「今から俺は無茶苦茶なお願いをします。無理なら断ってください」

「ふふふふ。いつだって無茶苦茶な計画ばかりだったじゃないですか。今更何も言いませんよ」

女性が笑いながらそんなことを言うので男は申し訳なさそうに「...来週の話です」と口火を切る。

「ドーム...は無理でもコンサートホールを押さえて欲しいんです」

「あら。そんなことですか、お安い御用です」

「...は?」

男が驚くのも当然である。来週なんて急な話は会場を抑えることはおろか機材だって間に合うか分からない。

それにもかかわらず、この女性は「そんなこと」と言い切ったのだ。

「もちろん都内で。機材もスタッフも手配します。それで、何がしたいんですか?」

「娘の十歳の誕生日に最高のプレゼントを贈ってやりたいんです」

「ふむふむ。それで、そのコンサートホールで何をするんですか?」

「ライブです。世界で一番のアイドルの」

男がここまで話したところで、

女性は「なるほど、話は分かりました。では後のことはこちらに任せてください。詳しいことは追ってメールで」と言い

男を帰してしまったのだった。



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