17: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 12:17:25.57 ID:CGnHuaAk0
風は強くなり、前を向くことができず視線は否応なしに足元へ……そこで見たものは、氷の向こう側で、華やかな衣装をまとい、長い髪を揺らし、素敵な笑顔で歌う女性。
心の底から楽しそうに歌う彼女を見て、私もそちら側へ行ってみたいと思うようになりました。
どうすればいい。
どうしたら……
そんなことを考えていると、その女性が私に気づいた様でこちらに向かって手を伸ばします。
私も手を伸ばしますが、氷が行く手を阻み、私とその女性を隔てています。
それでも、どうにか届かせようと力を込めて手を伸ばします。
そっと私の手に暖かい何かが触れ、私達を隔てていた氷も徐々に溶け出していきます。
真っ白だった世界に様々な色が付きはじめ、目の前の世界が塗り変えられていきます。
あながちこの世界が書のようだと言うのは間違いでは無いかもしれないと思いました。
この物語が果たして誰の物語なのか、それは分かりませんが……これが物語のプロローグであるならば……もう少しこの景色を見守っていたかったと、そう思いました。
49Res/35.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。