9: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 00:29:53.06 ID:xJU0s9Q00
何回か踊りを繰り返し、その度に慶さんからアドバイスを貰い、直していく。
「それじゃあ通しでやってみようか」
慶さんが持ってきたプレイヤーに手をかけ、音楽が流れ出します。
うまく踊れる事をイメージしながらステップを踏み込み、アドバイスを意識をしながら踊ります。
先ほどよりも体が軽い。
曲が終わり、笑顔を慶さんに向けると彼女もニコッと笑いかけてくれました。
「じゃあ最後に私も一緒に踊っちゃおうかな」
慶さんは袖を腕まくりしながら準備運動を始めます。
「準備は良い?」
隣に居る慶さんの声に私も頷きます。
音楽が鳴り出し、少し早く慶さんが動いたのが分かります。
慌てて私も後を追うように動き、なんとか合わせます。
一人で踊るのと違う。意識を自分だけではなく、たくさんの方向に向けなければいけません。
不思議な感じ。
これもまたアイドルとしての姿の一つなのでしょうか?
曲が終わり、慶さんが笑います。
「やっぱり体を動かすって楽しいね!」
空気の中をたゆたっているようなふわふわした気持ちに追いつかず、慶さんの言葉に相づちを打つ事しかできない私は、なんとか感謝の言葉を口からはき出し笑顔で応えます。
今のような感覚を自分自身に馴染ませるようにゆっくりと繰り返し、繰り返し反芻させます。
「明日もこの時間なら空いてるから」
二人だけしか居ないのに内緒話をするように慶さんがこっそりと耳打ちをして教えてくれました。
それから慶さんのお手伝いをしてお礼と挨拶を済ませた後、事務所へ向かいます。
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