11: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/05/06(金) 19:11:45.41 ID:J9K9lNQH0
「セットリスト指定なしは負担が大きいから却下で。トークは保留するとしても、テーマはいいんじゃないかな?」
卯月ちゃんの案を書きながら纏める。
不可能なものもあるけど、方向としては悪くない。
「となると……先に衣装を決めた方がいいかも。そうすればちょっとはトークの内容も考えれるだろうし」
「衣装かぁ…………あっ! じゃあ、あれはどうかな?」
「あれ?」
美穂ちゃんの指差す方を見ると、背の低い棚の上に……
「もしかして、写真?」
今までに撮った写真は写真立てに入れて部屋の中に飾っている。
全部は飾り切れないから、なにかイベントがある毎に変えているけど。
「最初に撮った写真の服とか……どうかな?」
「ああ、なるほど」
一枚だけ、ずっと変えていない写真もある。
一年と少し前、このユニットを組んだ日にここで撮ったものだ。
「いいアイデアだと思うよ。あの時の服はまだ持ってるし。美穂ちゃんは?」
「私もちゃんと持ってるよ。お気に入りだから」
じゃあこれで問題はないかな。
本当に、今回はなんでもありになりそうだ。
「ってええっ!? 私制服なんですけどっ!?」
卯月ちゃんだけがなにやら慌てている。
「大丈夫だよ卯月ちゃん。まだあと数か月は制服を着ててもおかしくないんだから。卯月ちゃん十八歳」
「ま、まだリアルJKだからその、心配しなくても……」
「気にしてるのそこじゃないよ! というか二人ともひどい!」
じゃあ、他になにか気にするところがあるのだろうか。
「不思議そうな表情をしないでください……一人だけ制服ってなんだか……アイドルとして着て人前に出たこともないし、いざとなると……」
「なるほど……」
たしかに、いつも着ている制服でイベントに立つかと言われれば……
「で、ですよね! だから他の衣装にするか、いっそ全員制服で――」
「だからこの写真をスクリーンに映して説明しましょうっ」
「ちゃんと話せば、みんなわかってくれるよね!」
「あっれぇー?」
そうはさせないよっ!
ともかく、これで衣装も決定だ。『パスガ結成日の服』という文字に赤ペンでぐるぐる丸をする。
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