過去ログ - 岡崎泰葉「またひとつ、花は咲く」
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23: ◆5F5enKB7wjS6[saga]
2016/05/07(土) 13:51:15.84 ID:zuGZt37lO

歩道橋を渡る。もうすぐお家。


より一層夜空に近づけた気がして、ふと橋の途中で足を止めた。


大きな大きな満月。手を伸ばしてかざしてみた。


背伸びしたらなんだか、届きそうな。そんな気持ちになれたから。


月明かりを掴むように拳を握り、そのまま胸に当てる。


そして、出会って間もなかった頃の彼に言われたことを思い出す。



――岡崎さん。……君が歩んできたみちは、なにも間違ってない。決して忘れないでくれ。



思い出して、涙が滲む。月が歪む。


その言葉が、私の胸に……再び命の火を灯してくれた。


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