過去ログ - 佐久間まゆ「白くて苦い……」一ノ瀬志希「Love Potion♪」森久保乃々「えっ」
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12: ◆Freege5emM[saga]
2016/05/08(日) 17:00:28.14 ID:U0MqyOlxo

「もし受け入れられても……ファンの方を裏切ることになると、分かってました。
 ……プロデューサーさんの立場も、悪くなります……それに」

まゆさんは、志希さんを横目でうかがいました。

「……プロデューサーさんと、まゆが、親しくしてたら……。
 まゆが色目を使って、プロデューサーさんに良い顔してヒイキしてもらうつもりだとか……」
「うんうん、邪推するヒトいるだろうねぇ」

もりくぼは割り込もうとして言葉に詰まりました。
もりくぼみたいに、アイドルやるだけで精一杯……って人なら、嫉妬する余裕も無いですけど……。
アイドル一生懸命やって、シンデレラガールになろう……とか思ってる人から見たら……。

「例えば、もりくぼちゃんがあたしの立場だったら、そう思う?」
「……まさかっ」

もりくぼは、まゆさんが真剣にアイドルやってるって、知ってます……。
だからこそ、そういう誤解をされたとしたら……。

「まゆだって……言ったらダメだと、わかってました……
 でも……諦めようと思っても、どうにもならなくて……」



「だからさー。惚れ薬一服盛って、プロデューサーのアタマいじいじして、
 フェニルエチルアミンどばーって出させて、
 まゆちゃんのトリコにしちゃえって志希ちゃん思うんだ♪」
「……えっ」

志希さんの台詞を、頭では信じられなくて、
……でも、耳では確かにそう聞こえました。

「問題ないよ。どうせ、プロデューサーだってまゆちゃんに思うトコロあるんだし」

……いよいよ、もりくぼの頭も痛くなってきました……。



「……惚れ薬ってなんのことか、もりくぼには理解できないんですけど……」

同僚アイドルと担当プロデューサーをわざわざくっつけようとする時点で、
志希さんは何かおかしいなぁとは思ってたんですけど……。
この期に及んで、惚れ薬なんてタチの悪い冗談をしつこく飛ばしてくるのは……。
このヒト、すごくアブないかも知れません……。

「じょーだん違う、志希ちゃん本気! この白衣も伊達じゃないもん!
 あたし、アメリカのラボで薬理学やってたもん!」
「志希さんの見た目では、せいぜい大学生とかそのぐらいじゃ……」
「乃々ちゃん……信じられないかも知れないけど、志希さんは」

志希さんに促されて、もりくぼは、ネットで志希さんの名前を検索しました。
すると、化学関係の記事が何本も引っかかったことで、志希さんの言葉を信じざるを得なくなりました……。
(英語は、まゆさんに助けてもらいながら、辞書を引き引き四苦八苦して読みました……)



「で、惚れ薬に話を戻すとね。あたしは、完璧な惚れ薬を作りたいんだー♪」
「あの、だから、アイドルが惚れ薬って……」
「ヒトの感情の揺れとか、なかなか定量化させてくれないモノにキョーミがあるんだよ、あたし。
 ココロを惹きつけるって意味では、アイドルも惚れ薬も同じだし」

この人が惚れ薬なんて開発してしまったら、
自分のライブ中に客席へ向かって散布してしまうんじゃないでしょうか……。

「惚れ薬、前々から試作品作ってて……でも、まだ完全じゃなくてさ。
 実験したいんだけど、なかなか信頼のおける人がいないから」

それで、同僚のまゆさんをダシにして、担当プロデューサーさんを惚れ薬の実験台にしよう、と。
クレイジーなジーニアスには、どこから突っ込めばいいのか……。

「もりくぼは、化学のことよく知りませんけど……
 人の心を薬でどうにかしようという発想に、まず疑問を持って欲しいです……」
「もしかしたら? って思わないかな。まゆちゃん」

まゆさんなら、きっと自分の努力で振り向かせるはず……。
もりくぼが目で聞くと、まゆさんは曖昧な微笑を返してきました……。




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