過去ログ - 佐久間まゆ「白くて苦い……」一ノ瀬志希「Love Potion♪」森久保乃々「えっ」
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22: ◆Freege5emM[saga]
2016/05/15(日) 19:23:30.71 ID:NK3nDXGso


「――ねぇ、まゆちゃん。何かさ、大事なコト忘れてなーい?」

まゆさんがプロデューサーさんとの出会いを語っていたのを、志希さんが遮りました。

「大事なこと、ですか?」
「まゆちゃんが覚えてないなら、別にいいんだけどね」

志希さんは、カップのミルクティーを揺らしながら苦笑していました。

もりくぼには、志希さんの内心が言葉通りの『別にいい』なのか、
『本当はよくない』のか、判断がつきませんでした。



「まゆちゃんは、プロデューサーと出会ってからのコト、ずっと日記につけてるって言ってたよね。
 もしかしたら、それには書かれてるかも」
「日記……ですか」
「ま、まゆさん……別に、日記をもりくぼたちにまで見せなくてもいいんですけど……」

まゆさんは、棚の端から紅い装幀の日記帳……そのうちの一冊を取り出して、
その最初のページをもりくぼたちの前に広げました。

「あ……その、ずいぶんしっかりした日記ですね……」

どっしりとした厚みのある日記は、真っ白いページに紅いインクの丸文字が整然と綴られていました。

しかもよく見ると、プロデューサーさんと出会った最初の一日目だけで、
もう最初のページを使いきっていて、文面が次のページにも続いていました。



志希さんは紅い日記に手を伸ばして、ペラペラと2、3回ページをめくりました。
まゆさんとプロデューサーさんとの出会いは、
もりくぼの予想を超えて克明に記されていたようです。

「んー、書かれてないねぇ。ま、別に書かれてなくても、あたしとしては構わないんだけど……」
「ま、まゆは……プロデューサーさんとのことで、何か大事なことを忘れてしまっていたのですか……?」



「別に……ただ、まゆちゃんとプロデューサーが出会った、あの仙台の暑い運命の日……
 その瞬間には、志希ちゃんも立ち会ってたはずなんだけどなーってハナシ。それだけー」

この時もりくぼは、まゆさんが慌てた顔を初めて見ました。





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