過去ログ - 佐久間まゆ「白くて苦い……」一ノ瀬志希「Love Potion♪」森久保乃々「えっ」
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52: ◆Freege5emM[saga]
2016/06/06(月) 01:50:02.47 ID:a9zWnqM0o


「あ、あの、写真大丈夫なんですか……目線がカメラから思いっきりズレてるのがいくつも……」
「編集にも『大丈夫?』って言われたけど、俺が指定して入れた。
 ズレてるのもある程度載せなきゃ。乃々らしいし」
「……らしい、って、プロデューサーさんは……」

「等身大の姿ってヤツだよ、森久保」
「……キレイな言葉ですね」

……キレイ過ぎて、正直ごまかしてるみたいに聞こえました。



「まぁ、最初のアイドルらしくしっかりキメた姿が森久保だと思われたら、こっちも困るんだ」
「なっなんですかそれっ、もりくぼってそんな扱いなんですかっ」

i.imgur.com
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……い、いや、この無理してるのが丸わかりのこれが、もりくぼの素に近いのは確かで……
そ、それは認めるんですが……



「こ、これがもりくぼの全国紙デビューなんですか……」
「何だ、差し替えるか? できなくもないぞ。版元や制作が渋い顔をするだろうが、
 こっちが素材を用意して渡してやれば、まだなんとかなるはずだ」
「あ、いや、その」



前のページに戻って、記事の文章を読みなおしました。
インタビューされた時のすごい緊張や、終わった後ついスキップしたくなるほどの解放感が、
頭から勝手に溢れてきて――あの、まゆさんにちゃんと報告したかった、あの気持ちが……

「……このままで、行きましょう……細かい修正は、お任せします……」
「おう、森久保。任されたぞ」



何を今更……と思われるかもしれませんが、この時もりくぼは、
やっとアイドルの仕事を一つやり遂げたんだ、と実感しました。

きっかけが他人任せで、これまでいつもプロデューサーさんに引っ張り回されてたもりくぼが、
まゆさんに頼りながらでも、自分で頑張ってモノにした仕事……。



「嘘なんかじゃ、ないですよね……もりくぼのも、まゆさんのも……」
「……どうした? 気になることがあるなら、何でも言っていいぞ」

プロデューサーさんの表情は、もりくぼの事情を知らないのか、
あるいは知ってて知らないフリなのか。

「いいえ……ありがとうございます、プロデューサーさん」



事務所を出たもりくぼは、寮室へ足を向けました。



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