過去ログ - 佐久間まゆ「白くて苦い……」一ノ瀬志希「Love Potion♪」森久保乃々「えっ」
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◆Freege5emM
[saga]
2016/05/08(日) 16:57:25.59 ID:U0MqyOlxo
長電話を終えてため息をつくと、今度は寮室のインターホンが鳴りました。
こんな夜遅くに……と思ったら、もう窓の外は明るくなっていました。
「ここは――号室……もりくぼですけど……」
『にゃーっはっはっ! もりくぼちゃんって誰だっけ? それより、まゆちゃんいるかなっ』
スピーカーから聞こえてきたのは、聞き覚えのある……けれど、名前が浮かばない声でした。
「いますけど……まゆさんは、今ちょっと……」
『じゃあね、もりくぼちゃん。一ノ瀬志希が来た、ってだけ伝えてくれる?』
「いちのせしき……? あっ……」
名乗られれば、新人のもりくぼでも顔が思い浮かびました。
まゆさんと同じプロデューサーさんが担当してる、先輩アイドルのはずです。
『昨日、まゆちゃんと話したんだけど……心配になって、様子を見に来たんだー』
「は、はい……すぐ開けます……っ」
もりくぼは、わらにもすがる思いでロックを解除しました。
「ふっふー♪ キミがもりくぼちゃん? 可愛いニオイするねー、食べちゃいたいぐらい!」
「え、いや、その……あぅ……」
志希さんは、そういう髪型なのかただの寝癖なのか微妙なウェーブヘアを伸ばし、
肩に羽織った白衣をひらひらさせながら、ぱっちりと大きな猫目で、もりくぼの顔をのぞき込んできました。
もりくぼは、志希さんをよく知りませんけど……まゆさんとは、正反対な雰囲気の人です……。
「おはよーまゆちゃん♪ 志希ちゃんのおでましだよー!」
志希さんは、もりくぼの横をスルリと抜けて、
敷布団に寝かせたままのまゆさんに話しかけました……。
「あ……し、志希さんっ……」
「あーまゆちゃん、いーよ寝たままで、調子悪いんでしょ?」
……あれ、まゆさん、今、しゃべりました……?
一晩中、一言もしゃべらなかったのに……。
「で、でも……先輩の前で、寝転がったままなんて」
「他の人ならともかく、あたしは先輩後輩とか気にしないよー。
それに、あたしも朝早くてネムネムだし……いっそここで寝直しちゃってもいい?」
もりくぼは、まゆさんに回復の兆候が見えて、内心ほっとしていました。
まゆさんがもりくぼにしてくれたように、
志希さんもまゆさんの力になってくれると思いました。
……あの言葉を聞くまでは、ですけど。
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