12:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 01:46:34.97 ID:s0YKehMU0
理樹(かなりドキドキするけどそういう事なら大人しくする他ない。でも……)
沙耶「……………」
理樹(少し首の角度を変えたら潤っている唇がそこにある。あんぐり開けてなかなか間抜けな口だけど)
沙耶「あへへ……」
理樹「…………な、なにを考えてるんだ…そんな馬鹿な考え…」
沙耶「……………」
理樹(1分経って起きなかったら……いや、30秒起きなかったら……)
理樹「……………ゴクリ」
30秒後
理樹(これは寝ている沙耶さんにキスをするとかそういう事ではない。ただ肩が凝ったから少し首を動かすだけだ。少し右に動かすだけ……)
グググ……
理樹「ハァ…ハァ…!」
沙耶「ん……………」
理樹(行け!大丈夫だ直枝理樹!相手はきっと気付かない!気付いたとしてもどうせ寝起きだし、しかも沙耶さんだし適当に誤魔化せるはずだ!)
理樹「……………!!」
グルッ……
『待て、まだそういうのは早いと思うぞ』
理樹「!?」
理樹(それは僕の目の前に現れた。いつものトレードマークの学制帽を付けた僕らの敵____『影』だ。しかし今回の影はなんだか様子がおかしい。敵意がないというか…頭しか出てきてないし)
影『理樹、お前がやろうとしていることは初めてか?』
理樹(なんで僕の名前を知っているんだろう。それに声がどこかで聞いた事のあるような……)
影『答えろ』
理樹「あっ、はいっ。初めてです……」
理樹(隣の人はイヤホンを付けてるからこの会話には気付くことはなさそうだ)
影『いいか理樹?せっかくのファーストキスがここ味気なくで散っていいと思うか?』
理樹「だ……ダメだと思います」
影『だろ?だいたい近頃の奴は性に関して節操がなさ過ぎる。そういうのはもっと高潔で、大事に取っておくものじゃないか?そういう欲を丸出しにした男達がうちの妹に手を出したりしようとする所をそうぞうするだけでも我慢が………』
理樹「あ、あのー……」
影『〜〜なので、そういうのはまず付き合ってから。お兄さんとの約束だ』
理樹「……………」
理樹(もしかしなくてもこの影かなり厄介だな。というかなんで攻撃してこないんだろう)
影『今日はどうしてもこれを伝えたかった。恋愛は自由だが心の紳士をおざなりにするなよ』
理樹(そのまま影は消えていった。意外といい人もいるのかもしれない)
アナウンス『次は○○、○○駅です。足元にご注意ください』
理樹「……………」
理樹「……沙耶さん。起きてもう駅に着くよ」
沙耶「ううん……あと5分…」
終わり
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