過去ログ - 響子「恋するオトメは何色の瞳をする?」
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15: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:39:51.06 ID:IMoSzx9M0

申し訳ないなぁ、っておもったけれど、あとから聞いてみれば、
プロデューサー自身も沙紀さんを見ながらなにを話していたのか覚えてないって。

それくらい目の前にいるアイドルに、私たちの目は、心は、奪われていた。
以下略



16: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:42:03.59 ID:IMoSzx9M0

そう言って示した指の先を見ると、
両腕を組んだまま椅子に座って船を漕いでいる、
濃いめの茶髪をしたスーツ姿の男の人がいた。

以下略



17: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:43:01.08 ID:IMoSzx9M0

叩かれた後輩さんはあまり悪びれた様子もなくて、大きなあくびをしたあと、
その場でラジオ体操めいた動きで一応眠気を飛ばしているみたいだった。

「あいつはいつもああなんだ」
以下略



18: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:45:26.01 ID:IMoSzx9M0

「あ、私」

「五十嵐響子ちゃんっすよね?」

以下略



19: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:47:06.27 ID:IMoSzx9M0

例えば、私はアイドルになりたい、って気持ちを持っているわけじゃなくて、
みんなに歌を届けたいとか、そういう強い意志なんてどこにもない、
プロデューサーの「君ならアイドルになれる」なんて、
使い古された口説き文句に乗せられて、
以下略



20: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:47:48.28 ID:IMoSzx9M0

「大丈夫っすよ、私だってまだまだ慣れないことで、ミスしてばっかで」

じんわりあたたかい手はさらさらしていて、当たり前だけど女の子の手で。

以下略



21: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:50:17.27 ID:IMoSzx9M0

「響子ちゃんもスカウトだよね? アタシと一緒っす」

まだ書類ひとつだけで、
アイドルどころかその卵にもなっていない自分が言っていいことじゃないかもだけど、
以下略



22: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:50:57.21 ID:IMoSzx9M0

「でもやるからには全力で、目指さなきゃ、自分の描くアイドルってアートを」

アイドル。

以下略



23: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:55:47.46 ID:IMoSzx9M0

「……ということっす」

話が終わると同時に、
沙紀さんの頭はどんどん机に近づいていって、ごちんって音を立てて不時着した。
以下略



24: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:56:41.00 ID:IMoSzx9M0

大きなため息がひとつ漏れて、上半身を起こした沙紀さんの表情は、
窓から見える空とは正反対な曇り模様だった。

「バカっすよね……こんなつまらないことで頭悩まして」
以下略



25: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:57:13.55 ID:IMoSzx9M0

よく見ると、癖っ毛からのぞいた耳はすっかり熟れていて、白い肌を赤く染めていた。
熱を帯びていそうなそれにおもわず触れて確かめたくなったけれど、さすがにそれは自重した。

そういえば。
以下略



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