過去ログ - 響子「恋するオトメは何色の瞳をする?」
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4: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/05/08(日) 23:13:44.04 ID:IMoSzx9M0

ゆっくりと顔を近づけて、すぐに溶けていきそうな声で「沙紀さん」と名前を呼んでみたら、
いままで聞いたことなんてないひっくり返ったみたいに変な声を出して、
手にしていたスマホが宙に待った。

行き場を探すように、重力に逆らうこともなく、
机の上に置かれていた分厚いカタログの上へきれいに着地して、
目をつむるような音は出ずに済んだけど、
横にいる沙紀さんは状況がまだ把握できないみたいな表情のままでかたまって動かない。

沙紀さん、ってもう一度声をかけると、ようやく私に気づいたみたいで、
空気を掴んだ手を動かしながら、回らない口で、

「あ、ああっ、響子ちゃん、おはようっす」

いつもの余裕がある表情とは違って、ちょっとだけ、ぎこちない微笑みだった。



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