過去ログ - 渋谷凛「学校?今日は休みだよ」鷺沢文香「そうですか」
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20: ◆kXGFzRinFumi[saga]
2016/05/09(月) 01:21:51.70 ID:50ZA1Re00

SIDE:渋谷凛 09

午前八時二十五分。

開場は客席、仮設ステージ、控え場所の三つに別れていて私は控え場所にいた。

控え場所は仮設ステージの裏で薄いパテーションで仕切られているだけなので会場内のざわつきが聞こえてくる。

聞こえてくる声は様々だったけれど中でもおかしかったのは

「絶対これアレだって。ウチらのことで説教だよ」

「はぁ?最初にあの子のことシカトしろって言ったのアンタでしょ?」といった内輪揉めが発生していることだった。

いい気味だ、なんて考えてしまった私は性格の悪い女かもしれない。

そんなふうにして私が会場内のざわつきに耳を澄ませているとどうやら時間が来たようで格技場はまっくらになった。

その後、誰かが登壇したようで仮設ステージはスポットライトを浴びる。

「えー、みなさん初めまして。鷺沢文香と申します」

直後、黄色い歓声。

会場を包んでいた不穏な空気は芸能人の登場によって跡形もなく破壊される。

「ふふ。ありがとうございます。でも今日のメインは私ではありません」

嘘でしょ、待ってよ。心の準備がまだなのに。

「それでは、お呼びしますね。渋谷凛さんです!」

文香がそう叫ぶと私はプロデューサーに背中を叩かれた。

「行って来い」ということらしい。

いいよ、もう。なるようになればいい。

腹を括った私がステージに躍り出るとクラスメイト達はなんとも名状しがたい表情で私を見る。

そりゃこうなるだろうね。

まぁ、いいか。お仕事だと思えば。

「急に決まったことで私も困惑してるんだけど、いつもの感謝を込めて歌うよ」

適当な前口上。もちろん嘘っぱちだ。

文香もそれを知ったうえで「ふふふ」と笑い音響の方に合図を送る。

あれ。文香も歌うの?



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