過去ログ - てす
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6: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:06:37.53 ID:VaszWa/To

「ねぇ絵里、」

 きゅ、って握られた指先。
 風が揺らしたあの子の髪、
 赤信号で立ち止まったいきおいで、瞳の奥まで揺れて見えた。

 そこを渡って曲がって、5分も歩けば、もう海未のお屋敷が見えてくる。

「……だぁめ」

 そうですね、なんて1オクターブ下げた声。
 夜の果てまでさらってしまいたくなる、そんな夜もあったっけ。

 信号待ちのカウントが一つずつ減ってゆく。
 ゲームのライフゲージみたい。

 それでもあなたと居る明日や明後日が続いていくと、
 頭の中では思っていられるから、今はもう別れることができる。




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