7: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:07:03.78 ID:VaszWa/To
反対側の青信号が点滅しだして勢いをつけたタクシーが通り過ぎる。
風に圧されて握った手の指、
力がこもったまま、
離せなくて。
8: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:07:30.02 ID:VaszWa/To
「ねぇ……なんだか、へその緒みたいだと思わない?」
「えっ? ……あぁ」
9: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:07:56.17 ID:VaszWa/To
「っあ! ……もう、気をつけてください」
「だって海未に見とれちゃってたんだもの」
10: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:08:22.67 ID:VaszWa/To
「あの、絵里。
今日はありがとうございました」
「……まとめに入ってるわね?」
11: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:08:49.11 ID:VaszWa/To
はい。
楽しかったです。
12: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:09:15.29 ID:VaszWa/To
ふいうち、くらくらしちゃう。
跳ねた胸元から心がこぼれそうなほど、
なんで、
13: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:09:41.61 ID:VaszWa/To
海未が見つめる。
もう付き合ってずいぶん経つのに、
今さらそんな、告白のやり直しみたいに。
14: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:10:07.83 ID:VaszWa/To
「海未。
大好き、あなたのためならなんだってできる、……愛してる」
15: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:10:34.19 ID:VaszWa/To
このまま腕二本分の距離をゼロにして抱きしめちゃえば何か伝わったことに、
甘い錯覚で満たされた気になって帰れるだろうか?
ううん、きっとダメ。
16: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2016/05/09(月) 01:11:00.58 ID:VaszWa/To
「でも、今日も最後に言えてよかったです」
あなたはそう言った。
この人はきっと言葉を信じているから。
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