6: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/05/13(金) 01:20:09.23 ID:kgPjdO9+0
===
でも……いつしか彼は私じゃない、どこか遠くを見つめるようになっていた。
私の瞳をのぞき込む度に、彼の中身はどこか彼方へ溶け出していくようだった。
7: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/05/13(金) 01:21:17.87 ID:kgPjdO9+0
恋の相手は、私だった。それも、彼の隣で愛を囁く私じゃない。
飾られた衣装を着て、きらめく微笑みを称え、輝くステージの上で愛の歌を歌う私。
8: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/05/13(金) 01:22:42.00 ID:kgPjdO9+0
===
いっそ死が二人を別っていれば、悲しみの記憶に溺れることもできただろう。
彼が他の誰かと結ばれていたのなら、嫉妬の炎にこの身を焦がすこともできただろう。
9: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/05/13(金) 01:24:15.65 ID:kgPjdO9+0
「固く二人が結ばれて、決してほどけませんように」
……左手首のおまじないは、確かに二人を結び付けた。
10: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/05/13(金) 01:25:39.00 ID:kgPjdO9+0
今宵も二人は埋めようのない溝を埋めようと、心と体を躍らせる。
あぁ、そんな彼が今でもとても愛しくて。
11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/05/13(金) 01:27:34.05 ID:kgPjdO9+0
タイトルの元ネタになった「あいくるしい」は名曲。
以上、お読みいただきありがとうございました。
12:名無しNIPPER[sage]
2016/05/13(金) 01:28:24.14 ID:5ZqeLHb8O
乙、すごく詩的ですな
13:名無しNIPPER[sage]
2016/05/13(金) 01:29:35.81 ID:iLdu/ktWO
おつ
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