過去ログ - 「路地裏で猫を撫でたら、不思議な場所へ着いた」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/13(金) 22:55:25.90 ID:adlua01f0

「……それで、そのシンガクジュク? とかいう建物の近くの隙間に入り込んで猫と遊んでいたら、気が付けばここにいたと」

「ビミョーに違うけど、もう何っ回も説明したからそれでいいです」

「はっはっは、ならば細かい事はいい、いい」


タップリと名乗るその猫は愉快そうに口ひげを震わせた。
何とも大きな腹に似合った名前である。

彼女が『飛ばされた』のは、どうやらこの猫の屋敷にある応接室らしかった。
一つの樹をくり抜いて造られたらしい、継ぎ目のない椅子が四脚と、透明な水晶で出来たテーブルが部屋の真ん中に置かれており、
周りには骨とう品や本棚や、タップリの身長程もありそうな大きな樽が置かれていた。

見れば見るほど不思議な空間だ。
部屋の隅にある大きな支柱の周囲では、小さな星々がゆっくりと軌道に乗って回っていた。

タップリのマイペースさに一時は声を荒げた篠だったが、勧められるままに口にした紅茶の不思議な甘さに、自然と気持ちは静められた。


「しかし珍しい、尻尾も耳もないとは」

「私がさっきまでいた所だったら、猫が立って話して紅茶飲むなんて有り得ないんですけど」


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