992:名無しNIPPER[saga]
2016/06/22(水) 21:30:13.70 ID:+hP4IPLHO
ザッ…
北王「今更頭を垂れても無駄かもしれない、滑稽にすら見えるだろう」
北王「……これが、今の私のあるべき姿だ。咎人であることに変わりはないのだから……」
北王「幾ら詫びようとも足りない程の苦痛を、あろうことか自国の民に与えてしまった」
北王「ほんの、ほんの少しの間でいい。この国を、皆を守らせてくれ………」
暴言飛び交うかと思われたが、民は終始沈黙したままであった。
しかし、全てを語り終え、北王が民に背を向け、退場しようと歩み始めた時……
『我々も、国を愛し、守ることを誓う』
何千何万の言霊が、民の意志が、北王の魂を強く揺さぶった。
彼は振り返り、民を見つめた。
民も、彼を見つめていた。
彼を見つめる民の瞳は、以前と全く違う。
己の判断を他者に委ね、偽言に踊らされていた民はもういない。
真実が国を覆う疑念疑惑の濃霧を晴らし、長らく閉じられていた彼等の瞳を遂に開かせた。
その曇りなき瞳に映し出されたのは、紛れもなく、民を見つめる王の姿であった。
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