過去ログ - 高森藍子「菜々さんへの誕生日プレゼントが思いつかない……」
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2:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 21:55:49.14 ID:5maGnF/Q0
「どうしよっかなー……」

ベッドの上に雑誌を並べる。流行の特集にはあまり縁がなかった。ファッションの話で1日を過ごしたり、少ないお小遣いをやりくりして着飾ったり、藍子にはそんな経験があまりない。あるとしたらアイドルの時だけで。衣装を選んだり取材を受けたり、そんな時くらい。
詳しそうな北条加蓮から一通りの雑誌を借りてはみたものの、かれこれ3時間ほどにらめっこして、藍子の中では何も進展していなかった。
1週間後の、5月15日の。
安部菜々の誕生日に、何をプレゼントしようか、って。

折り目のついたページを捲る。頭の中で立ち姿を思い浮かべてみる。
事務所で見る時は、たいていがウサミミメイド。メイド服に似合いそうな物はちょっと分からないし、菜々はメイドのプロだ。そういった小道具の1つや2つ、きっと持っている。

菜々の私服は。
……見たことがあるはずなのに、思い出せない。
印象に残っていない。
安部菜々、イコール、メイド。

メイド服を送ってみるのはどうだろう?
少し考えて、藍子はかぶりを振った。
それはきっと、自分がプレゼントとしてアルバムを贈られるのと同じだろう。
嬉しいけれど、きっと困ってしまう。



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