過去ログ - 高森藍子「菜々さんへの誕生日プレゼントが思いつかない……」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:13:56.56 ID:5maGnF/Q0
加蓮の目つきは真剣そのものだった。
サスペンスドラマで探偵による推理ショーを見せられている犯人役の気分だ。
ドラマでは、探偵が「犯人はあなたです!」と言った後で、犯人がそれを認めて項垂れる。
現実では――
「…………ふぅん」
「そ、その、……ごめんなさいっ!」
「んん?」
「せっかく加蓮ちゃんに雑誌を借りたのに……あの、やっぱり決まらなくてっ。うまく想像ができないけど、でもそれは菜々さんのことをよく知らない私が悪いんです! なのになんだかぜんぜんうまくいかなくてっ、それで――」
「ちょ、ちょっと待って、落ち着いてよ。どうしたのいきなり?」
「……ふぇ?」
がしり、と両肩を掴まれてから、初めて全身から力が抜けていった。
「うーん。よしっ。じゃあ1個ずつ整理していこっか、藍子」
「は、はいっ」
「誕生日プレゼントを決める為に、藍子は私から雑誌を借りた」
「はい、借りました」
「決まらなかった」
「……ごめんなさい」
「謝らなくていいってば。決まらなかったのは、藍子が菜々ちゃんのことをよく知らないから……って藍子は思ったんだよね?」
「はい……」
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