過去ログ - 高森藍子「菜々さんへの誕生日プレゼントが思いつかない……」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 21:57:25.86 ID:5maGnF/Q0
ベッドの隅に投げていたスマートフォンを、指先で引き寄せる。
待ち受けに表示されているのは加蓮と菜々の笑顔。冬から春にかけての頃、事務所に行ったら2人がソファにて肩を預け合いながらうたたねしていた。
いつもいろいろな表情を見せる加蓮と、いつもいっぱいいっぱい必死に踏ん張る菜々が、揃って遊び疲れた子どものような顔をしていて、思わず1枚。
たぶんバレてはいない。……たぶん。
「…………ふうっ」
待ち受けのロックは解除しないで、またスマートフォンを放り投げた。
気分一新。
雑誌を開いて、想像して、目を閉じて。
……30分くらいして、また、ひといき。
「あうぅ……思いつかない……」
ふと加蓮に雑誌を借りた時のことを思い出した。あの時の加蓮はちょっと驚いた顔をしつつ(藍子が流行にさほど興味を示していないのは加蓮も知っている)、それから口元を隠しての含み笑いを浮かべ(たぶん目的はバレている)、決まったら教えてね、と音符マーク混じりに渡してきた。
意地を張るのをやめてみるのはどうだろう?
もしかしたら加蓮も同じことをしているかもしれないし――悩む時にはとことん悩むタイプだし、お互いにいいアドバイスができるかも。
「……うーん……」
伸ばした手はスマートフォンにまで至らなかった。
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