過去ログ - 高森藍子「菜々さんへの誕生日プレゼントが思いつかない……」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 21:57:55.37 ID:5maGnF/Q0
清白なシーツを親指と人差し指で摘み、こすりあわせて、それから未練を消し去るかのように思いっきり大の字になった。雑誌がぱさりと音を立てて跳ねる。
目に髪が軽くかかるのをそのままにして、考える。
悩むことはけっこう好きだ。特に、誰かにプレゼントをする時は。
何がいいかな。何が似合うかな。喜んでくれるかな。
いろいろな光景が脳裏によぎってはシャボン玉のように弾けていき、その度に笑みが1つこぼれる。
それを繰り返しているうちに文字通り日が暮れたりするのだけれど、……正直、それはちょっぴり困ることだけれど、でも、楽しい。
今だってそう。菜々の、あの混じりっけのない笑顔を見る為に――もうちょっぴりだけ欲張るなら、涙もろい彼女に頬を拭わせる為に、数時間――1日、数日ほどを消費するのは、苦でもなんでもない。
ただ、1つだけ問題がある。
笑顔の想像が、うまくいかない。
菜々の笑顔そのものはよく見るけれど、どうやったら笑顔になるかが分からない。
「…………どうしてだろ?」
問題が発生した時に。
藍子は、どうすれば解決できるか考えるタイプで。
菜々は、当たって砕けるタイプ。
で、加蓮が問題の原因を考えるタイプだ。
……ここは加蓮のやり方を借りることにしよう。
分析してみよう。
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