1: ◆1CSaDSu89M[saga]
2016/05/16(月) 20:04:30.48 ID:5XxpIiB1O
 余裕を持ったスケジュールだったはずだが、収録は意外に遅くなり、Pはすっかり暗くなった空の下を車で福山舞を送っていた。 
  
  ふと気がつくと、仕事の疲れからか舞は可愛らしく寝息をたてはじめていた。 
  無理もない。小さなこの体で、歌って踊った後なのだ。 
  
  対向車のライトで時折浮かぶ舞の寝顔の愛らしさに、Pは見とれそうになり、慌てて車を停めた。 
  このままだと、事故をおこしてしまいそうだった。
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2: ◆1CSaDSu89M[saga]
2016/05/16(月) 20:09:31.41 ID:5XxpIiB1O
  見とれて事故りそうだから車を停めたPだったが、運転の心配がなくなると、やはり舞の寝顔に見とれてしまう。 
  車内灯を点け、瞼を閉じたその顔は見慣れてはいたが、改めて見るとドキリとする。 
  同世代の事務所の他の娘と比べても小柄な少女は、無防備にその整った顔立ちをPにさらしている。 
  
  自分の心音が、Pの頭に大音量で響く。 
3: ◆1CSaDSu89M[saga]
2016/05/16(月) 20:12:56.47 ID:5XxpIiB1O
  彼女からの返事はない。 
  
  Pは意を決したように、舞の頬にそっと触れる。 
  柔らかな、まるで水風船のような手触り。 
  そして彼女の髪から、少女特有の甘い香りが立ちのぼる。 
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