18:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:05:14.24 ID:UMEp/1BY0
PM5:00 オーディション会場
オーディションは無事終了した。今は一部候補者は家路につき、希望者――と言ってもほぼ全員だが――がモバプロ内の施設を見学している。
CoP「お前があそこまで突っかかるのは珍しいな」
P「そうですか?」
CoP「そうだよ。大体今日だって、あの子以外の候補者には質問すらしなかったじゃないか」
P「いやぁ、だって何も言わなくても他の面接官が聞きたいこと聞いてくれるし……というか、僕にパス投げたの先輩じゃないですか」
CoP「お前が興味深そうに眺めてたからパスしてやったんだろ」ケラケラ
P「……あの子、通りますかね」
CoP「そりゃお前次第だよ」
P「ってことは、他のプロデューサーは採らないってことですか?」
CoP「素材は良い。体力もある、歌も並以上にはこなせるし、ビジュアルだって十分合格だ。だが、『並以上』とか『合格点』で生き残れる世界じゃない」
CoP「それに、お前も言ってただろ。自分磨きの一貫としてアイドルやるっていうのはーーまぁ前例がいないわけじゃないけど、色々と厳しいだろ」
CoP「もちろん自分磨きのためにアイドルを始めて、トップアイドルになった女性もいる。ただそういう人は、存在自体が痛烈なまでに輝いていて、そういう小憎らしい言動すらも個性に変えられる女だ」
CoP「彼女は違う。どちらかといえば純朴なタイプだ。『自分磨きのためにアイドルを』なんて小生意気な目的は、彼女にとってマイナスだよ。落として、陶芸の道に戻してやった方があの子のためなんじゃないか」
P「…………」
CoP「何よりタイミングが悪かったな」
P「……今回のオーディション、粒揃いでしたもんね」
CoP「全くだ。全体的なレベルはちょっと最近じゃ考えられないレベルだ。俺が今担当してる子だって、あの子達と一緒にオーディション受けてたらアイドルになれてなかったかもな」
P「その話、先輩の担当の子にしてもいいですか?」
CoP「おいばかやめろ……ま、ある意味で間が悪く、ある意味で幸運だよ、あの藤原肇って娘は」
P「幸運、ですか?」
CoP「だって今回のオーディション、珍しくお前が参加してたろ」ケラケラ
CoP「こういうのを捨てる神あればなんとやらっていうのかね。粒揃いの候補者に埋もれかかったのは不運だったけど、ちゃんと見つけられるプロデューサーが、偶々、奇跡的な確率で参加してたのは、間違いなく幸運だろうさ」
P「……まだ、合格と決めたわけじゃないですけどね」
ピッポッパッ
P「あっ、ちひろさんですか? ちょっと至急頼みたいことがあるんですけどーー」
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