57: ◆9l/Fpc6Qck[saga]
2016/05/21(土) 10:54:32.29 ID:O9wRsXzG0
  
  
  
  
 夕陽の差し込む仮設事務所の中、私は最後まで残って机の上に散らかる橋の側面図を片していた。 
 ようやく使い慣れてきたスマートフォンを覗くと、妻からのメールが入っていることに気が付く。 
  
 娘が妻の料理を手伝ってくれたことと、息子が早めにバイトを切り上げるらしい旨が、そこには書かれていた。 
 どうやら皆、私の誕生日を覚えていてくれたらしい。 
 このような幸せな日々を送れていることが、たまらなく嬉しくて仕方がなかった。 
  
 汗の染み込んだヘルメットの紐を握り、私は事務所を出ようとした。 
  
  
  
  
  
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