過去ログ - (デレマスSS)モバP「続:チーズカツカレーとメロンソーダ」
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5: ◆stww/BS79E[sage saga]
2016/05/22(日) 17:01:37.50 ID:ogkgP0hp0

3、きっと、その煩いの名前は……

 アイツの言葉が刺さった日から、ちょっとだけ過ぎた頃だった。

「み、美玲ちゃんは……きっと、つかささんが好き……なんだね」

それは、急に投げかけられた一言だった。

レッスンが終わったウチは、
一緒にレッスンを受けた小梅とレッスンルームの前のベンチでおしゃべりをしていた。

その時、入れ替わりでレッスンを受けるつかさや涼、杏とすれ違って、
小梅と一緒に挨拶をしたあと、小梅はそんなことを呟くように笑顔で訊いてきた。

「……」

ウチは、上手く言葉に出来ず、俯いてしまう。

変なことを言われたら、顔が熱くなって暴れよう!って思うのに
今日は、上手く言葉にも表情にも出ない。

「な、なんで……?」

ウチは小梅だけに聞こえるように小声で言う。

「あの子が……美玲ちゃんがつかささんを見ている顔がね、私が涼さんを見てるときに似てる……って……」

小梅が、涼に「レッスン頑張って」って言うとき……とても嬉しそうで、優しい笑顔だった。

ウチにもそんな顔が出来ていたのかな……

そう思った瞬間、今度は急に顔が熱くなって、
ウチは手で顔を覆い隠して顔を伏せてしまった。

「み、美玲ちゃん?……ど、どうしたの?」

そんなウチが心配になったのか、小梅は隣にもっと近づいて、アタフタしている。

「だ、大丈夫……大丈夫だから……」

ウチは、そっと小梅にだけ聞こえるように伝える。

「よかった……」

小梅から安心したような声が聞こえてくる。

「小梅……ごめん……」

「ううん……こっちこそ、ごめんね……変なこと、言っちゃった……んだよね?」

「……小梅の言ったことは、たぶん間違ってない……でも」

ウチはうまく言葉に出来なくて、小梅を見る。

小梅は、そんなウチを見て……いつもより優しく微笑んでから……

「……うん。美玲ちゃん……ずっと悩んでるんだよね。自分の気持ちと……」

「何で?」

全て見透かされているような気持ちになって、小梅に問いかける。

小梅は優しい表情をしながら……

「わ、私もね……涼さんのこと……その……たくさん、たくさん悩んだから……」

って、少しだけ弱いトーンで話ながらウチの手をそっと包み込む。
ウチより小っちゃくて、ちょっと冷たい手のぬくもりが優しく伝わってくる。

「大丈夫だよ。きっと……美玲ちゃんなら……」

小梅はそう祈るように呟きながら少しだけ手に力を込める。

急に今までのグチャグチャだった心が落ち着いてくる。
何かトクベツなモノを受け取った気分だ。

……そんなウチの顔を見て、小梅が優しく頷く。

ウチは、小梅からもらった冷たいけど温かい贈り物を大切に心に敷き詰めて……

アイツがレッスン終わった後に見るメールの文章をスマホに入力した。



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