16:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:53:26.17 ID:QQKHlK4R0
「おーこわっ、こりゃ手まで食べられるところだったわ」
彼はおどけてごまかそうとするが、私の不満に納まりは付かない。
「そーね、残念」
そう言いながら運転席のヘッドレストを掴み、運転席の彼の耳元へと顔を近づけてもう一度囁く。
「プロデューサーさんの指…美味しそうだったのに…」
「ひぅっ!?」
この人は耳が弱い事は掌握済み。予想以上の反応を得られた私は思わず笑い出す。
「くすっ…あはははははっ!プロデューサーさんったら女の子みたいな声出して…ふふっ」
「奏っ!お前なあ!!」
彼は運転席で大声を上げるが、殆ど同時に後続車のクラクションが鳴る。
悪ふざけへの嫉妬ではない、目の前の信号はもうとっくに青になっていたのだ。
プロデューサーはやや乱暴にアクセルを踏み、車は加速する。
「奏、後で説教だからな…」
ぼそりと恨み節を吐く彼もとってもキュートだった。
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